『他人(ひと)の気持ちは分からない』


【No 0017】 [2005年03月26日(土) 16時26分06秒]

他人(ひと)の気持ちは分からない。
私はよくそう言います。
チョッとばかり冷たい人っぽいセリフですが。
でも、自分の気持ちと他人の気持ちを比べたとき、自分の気持ちは確実に分かりますが、
他人気持ちはそこまで分からないでしょ?
他人の気持ちが分かったような気になる事への自分への戒めです。

でも「分からない」と言うのと、はじめから「分かろうとしない」のでは、まったく違います。
ジュディーの言う「分からない」は自他の区別をつける意味です。
「人それぞれ」「みんな違う」というのは価値観の差であって、人としての本質的な部分に
それほど差はありません。
本質は、人間として根底になくてはならない部分。

息をしなければ死ぬ…とか、斬れば血が出る…とか。
好きと言われると嬉しいし、嫌いと言われれば凹むとか。
殴られると痛いし、身体のどこかを傷つけられると痛くて苦しい。
心を傷つけられた時は、身体以上に痛くて苦しくて、悲しい…。
そして、やっぱり怒っている人より笑顔の人の方が好きってこと。
これは共通しています。
チョッと思い出して欲しいのはそういうところ。
そんな事がちゃんと自分の中にあることを、今一度確認してほしいのです。

そんな事、今更言うほどの事じゃないって思ってるでしょ?
でも、当たり前であるが故に、忘れてる人が多くないですか?
毎日のようにテレビで報道される事件のニュースを見てつくづくそう思います。
幼稚園で言われましたよね「自分がされてイヤなことを他人にしなように!」って。
事件って、されてイヤなことを他人にしちゃってるって事ですから。
私達って、そんな小さな頃に言われた約束事すら守れない大人なのかな?って、
変なところで悲しくなっちゃいます。

こんな当たり前の事をしっかり持っていること。
自分も他人も蓄えた価値観が違うだけの同じ人間であること。
そしてそれ以上のところは、自分とは違う部分なのですから相手に聴けばいいのです。
人間が必ず持っているであろう共通感覚以外のものは、相手の範疇。
「他人の気持ちは分からない。」
「だからあなたの気持ちを聴くのです。」
自分の気持ちが自分で分からなくなったとき、同じ人間同士が向き合えば、
必ず目の前の人にあなた自身が手がかりを見つけられるはず。
今はいろんな言葉や知識が邪魔をしても、
いつかはそれもあなたの味方になるはず。

でも、子供の頃、何も言わず一緒に泣いてくれた友達。
私達が欲しいはいつもそんな温もり(癒し)なのではないでしょうか。